正しい勉強法が、いつも正解とは限らない

「正しい勉強法」なのに、なぜ続かない?

勉強には、さまざまな方法があります。

「このタイミングで復習すると記憶に残りやすい」

「○日後にもう一度復習する」

「一定期間の中で何回も繰り返すと効果的」

私自身も、以前はこうした「効果的な勉強法」を生徒たちに伝え、実践してもらっていました。

例えば、

① 授業を受けた翌日に復習する
② 2か月以内に5回復習する

といった方法です。

脳科学や学習に関する本を読んで、「これは理にかなっている」と思い、生徒たちにも取り組んでもらいました。

ところが、なかなかうまくいきません。

続かないのです。

理論が間違っていたわけではない

今なら、その理由がよくわかります。

その勉強法そのものが間違っていたわけではありません。

むしろ、理論としては正しい部分があったと思います。

問題は、

「その子の実生活と噛み合っていなかった」

ことでした。

学校があります。

部活動があります。

他の教科の勉強もあります。

家庭での時間もあります。

友達との時間もあります。

そして、生徒一人ひとり生活リズムも、性格も、得意不得意も違います。

そんな中で、

「明日、この教科を30分復習しましょう」

「○日後にもう一度やりましょう」

と決めても、その日に学校行事があったり、部活動が長引いたり、別の教科の提出物があったりすれば、計画通りにはいきません。

そして計画が崩れると、

「またできなかった」

という気持ちになってしまう。

せっかく良い勉強法を取り入れたのに、勉強すること自体が苦しくなってしまうこともあります。

大切なのは「正しい方法」だけではない

この経験から、私は少しずつ考え方を変えるようになりました。

大切なのは、

「正しい勉強法は何か?」

だけではない。

それと同じくらい、

「この生徒が実際に続けられる方法は何だろう?」

と考えることが大切なのではないか。

例えば、毎日30分の復習が難しい生徒なら、10分ならできるかもしれません。

平日に時間を取ることが難しければ、土日にまとめて復習する方法が合うかもしれません。

部活動が忙しい生徒なら、その生活を前提に計画を考える必要があります。

つまり、こちらが「正しい方法」を決めて押し付けるのではなく、

その子の生活の中で、どうすれば最大限の学習効果を生み出せるか

を一緒に考える。

私は、そこに教育コーチングの役割があると考えています。

「実行できる計画」を一緒につくる

最近、Paletteでは「ライフワーク・ローテーション」という学習の仕組みを考えています。

基本となる考え方はシンプルです。

月曜日から金曜日は、その日の授業を復習する。

土曜日と日曜日は、その一週間の学習内容を総復習する。

そしてテスト前には、テスト範囲を3回繰り返すことを前提に、必要な時間を見積もります。

そこからテスト初日まで逆算して、

「いつからテスト勉強を始めればいいか」

を自分で考えます。

大切なのは、テスト勉強が始まったからといって、普段の学習を止めないこと。

テスト勉強をしながらも、

その日の授業の復習と、一週間の総復習を続ける。

そうすることで、同じ学習内容に自然に何度も触れることになります。

さらに、夏休み・冬休み・春休みには、学期全体の総復習と進学準備を行います。

高校や大学について調べたり、オープンキャンパスに参加したり、将来目指している職業について調べたり、総合型選抜につながる活動を始めたり、志望校の過去問に触れてみたり。

勉強だけではなく、自分の未来について考える時間もつくります。

繰り返すことを「生活」の中に入れる

こうして考えると、一つの学習内容は、

授業で学ぶ
↓
その日に復習する
↓
週末に復習する
↓
テスト前に繰り返す
↓
学期末に総復習する
↓
模試や受験勉強で再び使う
↓
過去問でさらに使う

というように、何度も登場することになります。

「この内容を10回復習しなさい」と言われなくても、生活の中に学習のサイクルをつくることで、結果的に何度も繰り返すことができる。

私は、この考え方がとても大切だと思っています。

コーチングだからできること

もちろん、すべての生徒に同じローテーションがそのまま当てはまるわけではありません。

だからこそ、コーチングがあります。

その生徒の生活を知る。

今できていることを確認する。

どこに無理があるのかを一緒に考える。

そして、

「これなら実行できそう」

というところまで計画を調整する。

すると、最初から実行不可能な要素を計画から取り除くことができます。

私は、これがコーチングの大きな力だと思っています。

「こうしなさい」と決めるのではなく、

「どうすれば、あなたは実行できる?」

と一緒に考える。

その答えは、生徒によって違います。

だからこそ、一人ひとりに合わせる意味があります。

30年間の指導を通して

私はこれまで30年間、大学受験を中心に、多くの生徒たちの学習を指導してきました。

その中で、たくさんの勉強法に出会い、試してきました。

その経験から今、強く感じていることがあります。

どれだけ正しい方法でも、実行できなければ意味がない。

そして、

実行できる方法なら、たとえ完璧ではなくても、続けることで大きな力になる。

だから私は、生徒に「正しい勉強法」を押し付けるのではなく、

「あなたの生活の中で、どうすれば最大のパフォーマンスを発揮できるだろう?」

と一緒に考えていきたいと思っています。

それが、私が今、Paletteで教育コーチングを大切にしている理由です。

そして、ライフワーク・ローテーションも、その考え方から生まれたものです。

勉強を続けるための「ルール」を作るのではなく、

自分の生活の中に、自分で学び続けられる仕組みをつくる。

その経験を積み重ねることは、受験のためだけではありません。

きっとその先の人生でも、自分で考え、自分で計画し、自分で行動し、必要ならやり方を変えていく力につながっていく。

私は、そんな力を生徒たちに育てていきたいと思っています。

「正しい勉強法」を教えるだけではなく、
「自分に合った学び方」を一緒に見つける。

それが、Paletteの教育コーチングです。

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