コーチングとは

「コーチングとは何なのかよくわからない」という方は、ティーチングとコーチングの違いを比較するとよく理解できるだろう。

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ティーチングとコーチングの違い

単純な言い方をすると、「教育」の「教」がティーチング、「育」がコーチングである。

ティーチングとは「教える」ことである。例えば、英語の教師が英語の授業を行う、数学の講師が数学の講義をする、国語の家庭教師が国語の問題の解き方を教える、これらがティーチングである。ティーチングの目的は「知識の教授」である。

コーチングとは「育てる」ことである。例えば、理想や目標、問題点など、クライアントが心の核から発信するメッセージに対して傾聴・質問・承認を行い、前向きさや行動を引き出すことがコーチングである。コーチングの目的は「自立」である。

ティーチングの限界

ティーチングが上手くいったときの最大のメリットは、理解するまでに時間がかからないことだ。逆にデメリットは、授業を行う教師の力量が理解の度合いに影響することだ。だから保護者は評判の良い講師がいる塾・予備校を選ぶ。

良い講師は教え方が上手いのでわかりやすい。ティーチングはある程度の結果を出すには効果的な指導方法だ。しかし、一方的に知識や経験を伝える形になりがちで、生徒が講師のレベルを超えて目標達成するようなことは起こりにくい。また、受け身的で依存傾向のある生徒を育成しがちなので、指示がないと動けない、言われたことしかできないという状態を作り出す可能性がある。「教えたがり」の先生は、最初は良いかもしれないが、長い目で見ると避けた方が無難だろう。

コーチングの可能性

適切なコーチングが行われると、生徒は自分で考え、やるべきことを明確にし、経験を重ねて自立へと向かって成長していく。逆に不適切なコーチングは生徒を成功から遠ざけてしまう。不適切なコーチングとは、ティーチングが必要な時に教えず、コーチングが必要な時にティーチングするなど、生徒の成長段階と状況に合っていない指導のことである。

「教えないのがコーチング」と解釈している方もいるが、それはコーチングのすべてではない。コーチングには段階があって、ルールや基本を教えてからでなければコーチングは始まらない。だから最初はティーチング型コーチングという段階から始める。

この第1段階はとても重要で、生徒一人ひとりが全く違う人格であり、学力も、習慣も、価値観も全員違うという前提で向き合っていくことが必要だ。第1段階にかかる時間は個人差が大きい。だから指導カリキュラムをパッケージにするのは大変困難である。第1段階をクリアすると、基本的なことは自分でできるようになる。成績も上り始める。

だが、次の第2段階で勉強をやめてしまうパターンが多いので注意が必要だ。できるようになった瞬間に興味を失った経験はないだろうか。やり続けていればプロ級のレベルになれるかもしれないのに、できたからもういいやと急に冷めてしまう。これを乗り越えて成長するためには、本気で叶えたい目標やライバルの存在があると上手くいくことが多い。もしそれらが無かったとするならば、1ランク上に挑戦することで打破できるだろう。「できそうでできない」「解けそうで解けない」という問題は「解きたい!」という意欲を引き出してくれるものだ。

しかし、第2段階をクリアするために本当に必要なのは「信頼関係」である。生徒のことを信頼したり尊重したりできない人は黙って見ていられずに、最悪のタイミングで口出しをする。そして、「あなたのため」といいながら「自分の立場のため」に子どもを詰める。責められた子どもは先生や親のせいにして学力が伸びなくなる。「教えたがり」の先生(ときに親兄弟も)はこの第2段階をクリアできない。なぜなら、教え過ぎることによって学びの機会や楽しみを奪ってしまうからだ。

第3段階に入ると「勉強するのが楽しい」という感覚になってくる。自分で考えて決めたことが、成功や失敗という結果になって返ってくるからだ。たとえ結果が良くなかったとしても傷つくことはない。むしろ、自分のことを信頼し尊重してくれたことに感謝するようになる。人は皆成長したいのだ。本来学ぶのは好きなこと。生徒は自己管理できる能力が高くなる。「教えないのがコーチング」という人がいるのは、この段階で「教えることを手放す」ことが多くなっているからだ。

第4段階はいよいよ自立へ向けての最終段階である。ここまでくれば信じて見守るだけだ。

適切なコーチングを行うことにより、ティーチングの限界を突破し、より高いレベルに到達することが可能となる。

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